
- SH GALLERY | 東京都
現代と人間の交差点
- 2025/2/8(Sat)〜2/23(Sun) 開催前
「現代と人間の交差点」
2.8 (Sat.) – 2.23 (Sun.) 2025
12:00 – 19:00 (closed on Mon.)
[ Reception:2.7(Fri.) 17:00-19:00 ]
この度、SH GALLERYでは期待の若手女性作家4人が描く「現代と人間の交差点」を開催いたします。
本展は、それぞれ異なる視点で現代の課題や個々の内面を探求する4人の若手女性作家によるグループ展です。日本の伝統や自然、人間の精神性、そして日常に潜む問いに作品を通じて紡ぎ出します。観る者の感覚や思考を揺さぶり、新たな視点を提供する彼女たちの表現をぜひお楽しみください。
ARTISTS:
ナカバヤシ アリサ
ながのかおり
西川恵子
森田夏鈴
・ナカバヤシ アリサ|Arisa Nakabayashi
b. 1992, 東京都
2017 多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻 卒業
[Award]
2022 Idemitsu Art Award 青木恵美子審査員賞 受賞
2023 FACE 2023 入選
2016 トーキョーワンダーシード 入選
抽象はより生々しい現実なのか。
絵画なのか滲み(にじみ)なのか。
ナカバヤシはスムースな支持体の上に、オートマティズムと素早いブラシストロークで森や川にも見える滲みのようなものを描く。
道に出ないようにと不自然にカットされた街路樹は誰もその声に耳を傾けてもらえなかった彼女に、庭園を流れる水は人から守られ暗闇を出ることのない彼に、一見すると風景画にも見える絵が生々しい人々のリアルとして表現されている。そこに描かれたものは、鑑賞者のバックグラウンドや世の中の課題によってたえず変化し、絵画の身体を経験させ他人の痛みを想像させる装置となり得る。私は幼い頃から日本という国で女性として生きてきて、癒しがたい肉体の苦しみを感じてきた。その傷を癒すための作業なのか、それとも今助けを求めている人に手を差し伸べるためなのか。
どちらかだけということはないはずだ。そんな自分の世界を物質化する行為は、誰かを理解する術であり、社会との繋がりにもなっている。
・ながの かおり|Kaori Nagano
b. 1995, 兵庫県
2017 岡山大学農学部 卒業
2019 岡山大学環境生命科学研究科 修了
[Award]
2024「UNKNOWN ASIA 2024」 審査員賞
情報にあふれ、多様性が尊重される現代社会では、情報を選び取る裁量が、かつてなく一個人に委ねられているのではないだろうか。
私は食品業界での経験を通じて、生き物と食べ物の間に存在する多様な価値観に疑問を抱くようになった。多様であるが故に生じる疑問や違和感を、ポートレートとして表現している。我々が日々、意識的に、あるいは無意識的に行う選択、その背景にある価値観を、作品制作を通じて考えていきたい。
・西川 恵子|Keiko Nishikawa
2014 京都精華大学大学院芸術研究科修士前期課程日本画 修了
[Award]
2024 いい芽ふくら芽in OSAKA 入選
Independent Tokyo 2024 審査員特別賞 朴 ソネ賞 受賞
2015 第21回 花鳥画展 入選
2014 第60回 全関西美術展 日本画 入選
第1回 改組新日展 日本画 入選
2013 京展 入選
第59回 全関西美術展 日本画 入選
2011 第57回 全関西美術展 日本画 入選
第43回 日展 日本画 入選
幻想的な世界観を基盤に、個の内面的な感覚や心象風景を描き出している。幼少期から影響を受けてきたゲームアートや音楽の視覚・聴覚的要素にインスピレーションを受け、現実と幻想の狭間に存在する独自の表現を追求している。現在のシリーズでは、強い意志と神秘的な魅力を宿す存在が、私自身の心情や感覚を象徴している。
その姿は、心の中で揺れ動く変化や確固たる意思の強さを示すものであり、観る者に静かな問いかけを投げかける。私にとって絵画とは、目に見えない感覚や思考、心の奥に潜むものを形にする行為である。作品を通じて、現実を超えた世界に触れる瞬間を共有できることを願う。
・森田 夏鈴|Karin Morita
b. 1993, 三重県
2016 三重大学教育学部美術教育課程卒業
自身の原体験である"自然"と"食"を通じ、作品制作を行う。
食事は、古くは神聖なる儀式「神事」であった。 他の命を奪い自分の命を繋ぐ、生と死が同時に存在する日常的な行為に、かつての人々は霊性を感じ、感謝や畏敬の念を表していた。 しかし、大量生産大量消費社会が根付き、食品が簡単に手に入る現代では、食の本質的な意味は完全に薄れ、それと同時に、人々は自身の命に対しての実感も薄れてきているように感じる。作品を通じて、命の本質を再定義し、人々に自己との対話を促すことを目指している。
ナカバヤシアリサ
ながの かおり
西川 恵子