- ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション | 東京都
新しい南画の世界―浜口陽三と後藤理絵、重野克明、染谷悠子、西久松綾、吉増剛造―
- 2025/7/12(Sat)〜9/21(Sun) 終了
「現代の南画」をテーマに、銅版画、絵画、日本画、墨絵、詩、書が並ぶ、ここでしかみられないユニークな展覧会です。
銅版画の中に南画の影響があると言われている浜口陽三に加え、独自の新しい表現を模索する中に南画の精神を感じられる現代作家5名の作品を一堂に展示しています。
浜口陽三の作品は銅版画11点と、墨絵、グアッシュ作品を1点ずつ展示しております。
銅版画は《魚とレモン》《黒いさくらんぼ》など、黒の空間を深く楽しめる作品が揃っています。
墨絵《豹一匹》、グアッシュ《虎》は、銅版画とはちがった浜口陽三の手つきをご覧いただけます。
書家・詩人の後藤理絵の作品は、大胆な構図で紙の白と墨の黒の世界に引き込まれていきます。後藤理絵の作品に囲まれる展示空間は、澄んだ緊張感が漂っています。
銅版画家の重野克明の作品は、やわらかな墨の濃淡で、作品に漂う空気を感じることができます。銅版画の黒、墨の黒、どちらもお楽しみいただけます。
現代美術家の染谷悠子の作品は、繊細な線と魅力的な色合いが織りなす美しさと力強さが感じられます。輝く色彩をぜひご覧ください。
美術家の西久松綾の作品は、日本固有の物語と組み合わせ、水の中の生き物の姿をユーモラスに描き出します。涼やかな作品の中の、生き物それぞれの姿、表情をじっくりお楽しみください。
詩人の吉増剛造の作品は、色がぶつかりあう激しさのなかに、繊細な肉筆の文字が私たちをどこか遠くへ連れて行ってくれるようです。言葉が織りなす無限の奥行きを感じてください。
それぞれの作家の作品がお互いに響き合う展覧会となりました。
ぜひご来館ください。

江戸時代、1 7 世紀半ばに生まれた南画は、昭和前期まで文化の一大潮流でした。
浜口陽三の銅版画作品にも南画の影響があります。
この展覧会では、こころみに現代の中に南画をさがします。
美術評論家の洲之内徹は、「浜口陽三の仕事の根底には宋元写生画の構図が横たわっている」と言う。宋と元の写生画とは南画のことである。陽三の父君の第十代儀兵衛は、小室翠雲に師事して南画を学んだ。さらに数代前の浜口灌圃は、紀州の南画家の野呂介石の弟子だった。陽三と南画の世界との親和性は、浜口家の伝統である。詩と書と画、その三つを表現するのが正統的な南画家=文人画家だが、現在、その系譜に連なる作家はなかなか探せない。しかし、南画の伝統を意識しながら、新しい表現を模索する現代美術家や詩人、書家は存在し、活発な活動を続けている。
そうした南画のスピリットに照応しあう現代の作家たちの作品を展示することで、「新しい南画の世界」を表現したい。
展覧会顧問:林 浩平 (詩人、前恵泉女学園大学特任教授)
2017年NHK放送大学「文人精神の系譜-与謝蕪村から吉増剛造まで」
◆出展作家
浜口陽三(銅版画家)
後藤理絵(書家・詩人)
重野克明(銅版画家)
染谷悠子(現代美術家)
西久松綾(美術家)
吉増剛造(詩人)
◆開館時間
平日11:00~17:00(最終入館16:30)
土日祝10:00~17:00(最終入館16:30)
ナイトミュージアム 毎月第三金曜日(7/18、8/15、9/19)は20:00まで開館(最終入館19:30)
◆休館日
月曜日(祝日の場合は開館、翌火曜日休館)
◆入館料
大人600円/大学・高校生400円/中学生以下無料
1階展示室 西久松綾作品
地階展示室 重野克明作品
地階展示室 浜口陽三作品、吉増剛造作品
地階展示室 後藤理絵作品、染谷悠子作品