- VALLOON STUDIO SHIBUYA | 神奈川県
3人展「枝折 -shiori- 」
- 2026/5/15(Fri)〜6/1(Mon) 開催前
本展に参加する3名の作家は、それぞれに日常の中で見過ごされてしまうようなささやかなものや、見えなくても確かに存在する物事を丁寧に受け取り、それらを可視化することで表現へと昇華している。
小山維子は、矩形という絵画の古典的な枠組みを用いながら、その内側で“戯れ”るように制作を行う。定まりきらない物事と向き合い続けるその姿勢は、枠組みを前提としながらも、そこに収まりきらない揺らぎを内包している。
花月啓祐は、絵画における一筆や、和紙・木枠・光といった素材同士のかすかな響き合いに目を向ける。「一筆のとなり」という言葉が示すように、主たるものの“隣”にある気配を丁寧にすくい上げ、日常に埋もれた美しさを再び立ち上がらせる。
菊地綾子は、絵画、立体、写真といった複数のメディアを横断しながら、自然の一部としての自身を見つめ、通り過ぎる日常の中に潜む「あわい」を探る。景色、意識、慣習、感情が重なり合う境界に現れる、名付けきれない物事をすくい取るように制作している。
三者の視点が重なり合うことで、ひとつひとつは微かな物事への眼差しが、やがて確かな強度をもった表現として立ち現れるだろう。
強い色彩や大胆なテクスチャーをもつ作品が瞬間的に鑑賞者へ届くとすれば、彼らの作品はゆっくりと、しかし確かに迫りながら、その思考や感覚を静かに浸透させていく。
効率や即時性が優先されるなかで、見過ごされがちな感覚や揺らぎに立ち止まり、ゆっくりと呼吸をするように世界を見つめ直すこと。
本展が、そのためのささやかな「枝折」となれば幸いである。
物の持つ存在感や気配を受け取り、物と物、物と空間、物と人との距離や関係性を意識しながら、展示空間は形づくられる。
そうした繊細なコミュニケーションは、私たちが無意識のうちに日々行っているものでもある。
本展「枝折」は、山道で折った枝を道しるべとするように、そのような感覚に立ち返るためのひとつの手がかりとしての展示だ。
タブローという形式が内包する枠組みや境界、奥行きといった性質に着目すると、
そこに立ち現れるのは、見えづらく、聞こえづらく、掴みづらいものごとであり、それらに向き合い、形を探るような態度である。
【Events During The Exhibition】
1. アーティストトーク・ワークショップ|交差点#9
5月24日(日) 16:00-18:00
参加費:税込1,650円(税込)1ドリンク付き ※要予約
2. クロージングパーティー
5月31日(日) アーティストトーク 15:00-16:00 /パーティー 17:00-19:00
※参加費無料/予約不要
★イベント情報は、VALLOON STUDIO SHIBUYAのInstagramにて随時更新してまいります。
花月啓祐_作品
菊地綾子_作品
小山維子_作品
会期中イベント