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  • ちばぎんひまわりギャラリー | 東京都
  • 山田淳吉 個展「地平のカルトナージュ」

  • 2022/3/23(Wed)〜4/3(Sun) 終了

展覧会の見どころ

「地平のカルトナージュ」

 地上に反射した光は空まで届き、靉々とした雲間の輪郭に沿って遠くへ消えてゆく。地面は空と繋がり、やがて地平線は拡張する。眼内閃光の影は、ミメーシスの船に乗せられ、海の向こうから模造の樹木を運んできた。閃光の中から生まれた石は、光の造形を伝える役割を担い、雨に編まれた布が撓やかに受け止めた。やがて訪れる紫の時間を、風を受け止めながら静かに待っている。寒風吹き荒ぶ砂塵の中で、粛々と、硬く育ってゆく。果実の物語は尊厳を拵え、光の形を変えてゆく。名もなきモノたちは階段におとなしく正しく並んで座っている。過去の風が地表を撫ぜ、弾けた石達がやがて風景となった。雨と土、鳥と空、人と家、魚と水、コップと水差し、ガラスと水滴、膝小僧と猫、りんごと手、カーテンとテーブル、大気と埃、糸と指、地と図と絵。様々な関係の中を、横断し対話することによって、やがて筆が動き出した。

 対象を観察することによって紡ぎ出された視覚現象は、時に異郷へと導くことがあります。絵画制作をする上で使用する物質には、現在まで紡ぎ出された歴史が内在されています。対象と物質が織りなす連帯は、絵画として手を繋ぎ、新しい地平へと向かわせてくれます。

山内麻美

展覧会内容

山田 淳吉 Junkichi Yamada
1982 年 東京生まれ
2011 年 東京藝術大学 美術学部 絵画科 油画専攻 卒業
2013 年 東京藝術大学 大学院 美術研究科壁画専攻 修了
主な個展
2013 年「Fictitious scenery」ギャラリー杉野(東京)
2020 年「かなたの庭」3 階/3F(東京)
主なグループ展
2010 年「danryu 展」池袋画廊(東京)
2012 年「気韻衝動」中野ZERO ホール 美術ギャラリー(東京)
2013 年「六人展 群像のかたち」月光荘こんぱる前室・中室(東京)
2013 年「FACTUM EST 〈現在・活動〉」東京藝術大学美術学部 絵画棟1F(東京)
2014 年「精彩展」 アートスペースリビーナ(東京)
2014 年「居住する美–銀座」並木通りギャラリー INOAC9F(東京)
2014 年「居住する美–千駄木」旧安田楠雄邸庭園 (東京)
2015 年「so as to enclose」 上野Break ステーションギャラリー(東京)
2016 年 「坂本龍幸 福迫大智 山田淳吉 展」 ギャラリー杉野(東京)

  • 風景

  • 海と陸

基本情報/アクセス

展覧会名
山田淳吉 個展「地平のカルトナージュ」
会期
2022/3/23(Wed)〜4/3(Sun)
会場
ちばぎんひまわりギャラリー
住所
〒103-0022 東京都中央区日本橋室町一丁目5番5号 コレド室町3 4階
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