岩佐徹の木版によるシリーズ「直方体」は、思い出したようにたまに制作されます。本展では、およそ20年にわたり制作された「直方体」シリーズを、新作を含む約10点で振り返ります。会場であるリブレは内外装で矩形が特徴的な建物（設計清水徹氏 2006）です。その本展との相性もお楽しみください。
岩佐徹（1977- ）の木版によるシリーズ「直方体」は、立体作品と平面作品があります。立体作品の直方体は、シャープな辺をもった色のかたまりです。木版で摺った和紙を折って立ち上げることで、摺るときにばれんに込めた力を内向きにし、求心性を感じられるよう意図されています。対して、平面作品の直方体は、木版のテクスチャーがあるマットな色面上に遠近感を排したアウトラインで表され、連続する端の見えないハコは永続的で、どこか遠心的でもあります。また、特に初期においてはだまし絵の要素を多く含んでいます。
岩佐 徹（いわさ とおる） プロフィール
版画家。1977年埼玉県生まれ。2002年筑波大学大学院修士課程芸術研究科修了。水性絵具、和紙、ばれんを使って木版を摺り重ねる日本の伝統的な技法で抽象画を制作。
www.iwasatoru.com
会期｜2022年9月16日（金）- 19日（月・敬老の日）、23日（金・秋分の日） - 25日（日）
※会期中の9月20日（火）、21日（水）、22日（木）は休業いたします。ご注意ください。
時間｜11:30 - 18:30
2020年 板目木版 水性絵具 楮半草紙 14×6×4cm
2012年 板目木版 水性絵具 楮半草紙 24.6×22.0cm
2012年 板目木版 水性絵具 楮半草紙 35.1×45.3cm
2010年 板目木版 水性絵具 楮半草紙 30.7×22.0×5.5 cm×4