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  • ギャルリーフロレゾン Galerie Floraison | 東京都
  • Roland Pangrati 個展 “REFLECTION”

  • 2020/10/6(Tue)〜10/18(Sun) 終了

展覧会の見どころ

“ReSonance”(2019年 4月 ガラツィ、ルーマニア)、”ReConnect”(2020年 7月 ガラツィ、ルーマニア)、そしてこの度、三部作として”REFLECTION”を東京で開催させて頂く機会を心から感謝申し上げます。

当たり前の普通の生活から突然、制限された生活をせざるを得ない、この困難な状況を大自然の厳しい風景に置き換えてみた時、そのような状況であっても逞ましい生命の営みあり、そしてそこから、生きる勇気や希望を感じることができます。

この困難な状況を作品の厳しい風景の中に投影し、そして作品を通して立ち止まり見つめ直したその先に明るい希望が生まれ、そしてやがて凛とした空気感の中から安らぎを与える作品として変化していくことを感じて頂けたら幸いでございます。

時には諭し、そして励まし、希望、安らぎを与える作品として鑑賞して頂けることを願っております。



彼の芸術性についてこの場を借りてご紹介させて頂きます。

彼は古代からの続く日本画の伝統的技法を使い、この展覧会を完成させました。
彼は日本画に使われる天然の岩石を砕いて作られた天然の顔料の色彩の持つ美しさと透明感に魅了され、そしてこの岩石の粒子のテクスチャーが作品に岩石そのもののとしての印象を与えています。

彼の作品の岩山( 作品名は【Existence ♯1-♯5】【Silent Existence ♯1-♯7】)現実的風景を再現したものではなく、作品の表面に岩石自体のテクスチャーを紹介する試みを表しています。

彼の描いた寂れた山々の風景は、限られた範囲の色の中で、複雑な岩肌の持つ表情を表現しています。

彼の作品に滝を描いた風景画がございますが、滝の水が落ちそして海と溶けあい、空は自然の超越した究極の美しさを再現するために反映しています。

ある意味、断崖は時の流れを表しており、木々は時の流れや季節に反映しながら、生まれ変わるだけで枯れてしまいます。

彼の絵画は、細部がすべてマクロになる空間に浸ることで、時間の深淵からのより多くの瞬間が共存しています。

美術史において山と崖の主題が何を意味するのかを考えると、最初に頭に浮かぶのは、山を描いた中国の水墨画と、芸術のロマンチックな時代の芸術家の崖を使った作品です。
このロマンチックな絵画に描かれている崖や山は、ほとんどの場合、山の主題、境界、または別の領域への入り口を通して表現され、時空のある時点、または別の世界を呼び起こします。

しかし、彼ににとって、山は一種の制限ではなく、「ここ」と「そこ」を分ける実体であり、自由意志の空間と時間の概念を超越する要素を表しています。
彼は1000年以上前の日本画の日本画の絵画技法を作成するために使用したとしても、彼の作品のスタイルは現代的な方法や素材を使用することにも寛大です。

彼は自由な表現で働き、現代美術と日本画のスタイル技術の間、または芸術における東洋と西洋のビジョンの間に存在する境界を越えています。
このビジョンの大きさは、本質的で根本的な美しさによって明らかにされる世界の経験を探求する際に彼が自分自身を位置づけた方法の結果であるように思われます。

ローランド・パグラティの芸術を賞賛する真の喜びは、年齢、性別、国籍などの境界を超えて、自分の限界から逃れる機会を思い起こさせる別の世界を創造することです。

彼の芸術は、究極の風景、科学的視点と芸術的視点、普遍的な人間性の感性、 遠い空間と未来、自然と宇宙はすべて相互に関連しています。


是非、今回開催しております個展”REFLECTION”を通して彼の奥深い芸術世界を堪能して頂けたら幸いでございます。

成塚 裕子

展覧会内容

ルーマニアで唯一の日本画Roland Pangrati (ローラン・パングラティ)による個展です。
今年、医療従事者に感謝を込めて”MAKE IT BLUE “ プロジェクトで彼の作品(デジタルプリント(10m×56m))が、ルーマニア(ガラツィ)の中心に掲げられております。

Roland Pangrati ローラン・パングラティ
1974 ルーマニア ガラツィ生まれ

1999 ブカレスト芸術大学卒業

個展
2001 “Renascence Experience” (絵画) ブカレスト芸術大学、ブカレスト

2002 “Inverse Emotion” (絵画) シャドウズ クラブ、ガラツィ ルーマニア

2008 “Giants” (彫刻) レオンセンター、クルジュ ルーマニア

2009 “Caryatid” (彫刻) レ ガガ クラブ、ブカレスト ルーマニア

2011 “Inexistent Knight” (絵画) メトロポリス センター、ブカレスト ルーマニア
    “Behind those eyes” (彫刻) ベラジオ クラブ、コンスタンツァ ルーマニア

2019 “ReSonance” (絵画) ニコラエ マンツ アートギャラリー、ガラツィ ルーマニア
    “ReSonance” ヨーロピアン イベント”Night of Museums 2019”(絵画)
    ドゥナレア大学、ガラツィ ルーマニア

2000 “ReConnect” (絵画) ニコラエ マンツ アートギャラリー、ガラツィ ルーマニア

グループ展
1998 “Art Fair” (絵画) ビジュアル アート ミュージアム、ガラツィ ルーマニア

2018 “Spring Salon of Artists” (絵画)ニコラエ マンツ アート ギャラリー、
    ガラツィ ルーマニア
    “Summer Salon of Artists” (絵画)ニコラエ マンツ アート ギャラリー、
    ガラツィ ルーマニア
    “Autumn Salon of Artists” (絵画)ニコラエ マンツ アート ギャラリー、
    ガラツィ ルーマニア
    “Winter Salon of Artists” (絵画)ニコラエ マンツ アート ギャラリー、
    ガラツィ ルーマニア

2019 “Spring Salon of Artists” (絵画)ニコラエ マンツ アート ギャラリー、
    ガラツィ ルーマニア
     “Summer Salon of Artists” (絵画)ニコラエ マンツ アート ギャラリー、
    ガラツィ ルーマニア
“Waltz of Danube in Colors” (絵画)ビジュアル アート ミュージアム、
    ガラツィ ルーマニア
パブリックアート
2013 “Ruts and Burgeons” (ズグラッフィート) 12000 × 17000 cm、
    ビバ パーク、ガラツィ ルーマニア

2020 “Make it Blue” (デジタル プリント) 1000 × 56000 cm、
    ガラツィ ルーマニア



受賞歴
2019 “Waltz of Danube in Colors” 最優秀賞

  • “Autumn Dance”
    375×290mm
    アクリル/胡粉/金箔/銅箔

  • “Winter Dance”
    417×295mm
    アクリル/胡粉/銀箔

  • “Silent Existence#1”
    295×208mm
    岩絵具/胡粉/越前和紙

  • “Silent Existence#2”
    205×150mm
    岩絵具/胡粉/越前和紙

基本情報/アクセス

展覧会名
Roland Pangrati 個展 “REFLECTION”
会期
2020/10/6(Tue)〜10/18(Sun)
会場
ギャルリーフロレゾン Galerie Floraison
住所
〒104-0031 東京都中央区京橋2-12-9 ACN京橋ビル101号室
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