- 太郎平画廊 | 東京都
松下誠子展「良心をさがしてー落下する玩具」
- 2023/5/5(Fri)〜5/27(Sat) 終了
松下誠子は1990年代、セメントで作った大きく不揃いな球体と鉄の躯体を用いたインスタレーションで現代アートの舞台に躍り出たアーティストです。その後、世界各地で現在に至るまで、パラフィン紙や羽根、ワックスなどの素材を使って表現したクッションやドレスなどの立体、そして実際にパラフィンドレスを身に纏ったパフォーマンス、クチバシをモチーフとしたオブジェやドローイング、絞られた色彩で表現されたアニメーションなど、多彩な作品を発表しています。人間の内面を深く洞察することによって生み出される作品は、時に女性的な姿をとりながらも、わたしたちが意識することのない人間の深部を解放、もしくはえぐり出すような力をもっています。
石を積み上げた空間の太郎平画廊で、松下誠子はどんな作品を展開し、何を提示するのか-ぜひ、ご高覧ください。
【展覧会概要】
松下 誠子 展「良心をさがしてー落下する玩具」
Seiko Matsushita Solo Exhibition "In Search for Inner Voice - Falling Toys"
2023年5月5日(金祝)~ 5月27日(土)
水・木・金・土曜 開廊 12:00 - 19:00
静かに進行する全体主義の中、意見を持つ前に既に醸成された社会的価値観に囚われ、真実や自由の本来の意味を見失いがちな今日。松下誠子が題材とする玩具や可愛らしいものが語りかけるのは、子供たちに向ける大人たちの優しい眼差しや子供たちがそれらに抱いてきたこだわりだけでなく、幼児性に対する承認や歪んだ視線など。一見、女性的、母性的なモチーフを使い、圧倒的な表現力をもって制作された作品の数々は、作家自身の表層と深層をめぐる考察を私たちに提示しています。
【アーティスト・ステートメント】
日常の中に取り巻く社会の中に、幼児的なものや愛らしいものが溢れている。
ネオテニーにつながるものや愛着性を帯びたものもあり、時として内部に爆弾を抱えて戦っていることもある。
私といえば、鳥のクチバシ(防衛と供給)とピノキオの長い鼻と壊れそうな多面体の肉体で出来た異種混合のキメラとなって、境界と境界の間の流動性の中を浮流して良心を探そうとしている。
【アーティスト・プロフィール】
北海道函館市出身、神奈川県在住。
共立女子大学卒業後、金工を学ぶ。
〈主な個展〉
2022 Mother’s Voice-Images for the animation(ALELIER・K/横浜)
2021 燃えるスカート(UMAKART Gallery/ブルノ/チェコ)
不可侵のパラフィンドレス・リボンのキャンペーン
(学習院女子大学文化交流ギャラリー/東京)
2022 家の舌(RED AND BLUE Gallery/東京)
2018 革命前夜2 - 風景が変わる時(RED AND BLUE Gallery/東京)
2017 Gun-zo(Gallery Hasu no hana/東京
2016 Security Blanket(パフォーマンス&インタビュー)( ギャラリー・ルデコ/東京)
2014 わたしの中の異物 - ヴァイオレンス(東邦画廊/東京)
2012 わたしの中の異物(双ギャラリー/東京)
2010 INNER - 彼女は自分の事で忙しい(Soh Gallery K3/東京)
2002 Security Blanket(パフォーマンス&インタビュー)
(アート・ポジションズ/マルセイユ/フランスユ)
2001 Zone of Retardation(ギャラリー・モニカプレス/ドイツ)
Security Blanket(パフォーマンス&インタビュー)
(ケルン アルトシュタッド/ドイツ)
2000 Self Portraits(アンザイアート・オフィス/東京)
1999 ガレリアキマイラ/東京
1998 遅滞(ギャラリー・クラマー/東京)
1997 微妙な消息(インフォミューズ/東京)
1994 球に向かう瞬間の中有(ギャラリー日鉱/東京)
1992 微笑(ギャリラリーK /東京)
〈主なグループ展〉
2022 Galleri Heike Arndt/ベルリン&ケティンゲ/ドイツ&デンマーク
2021 Loop展(工房親/東京)
Das Fremde in der Isolation - 孤立のストレンジャー(Hall Zollstock/ケルン/ドイツ)
2019 彼女たちは叫ぶ、ささやくーヴァルネラブルな集合体が世界を変える(東京都美術館)
2017 本当のことは言わない(HAGISO/東京)
2015 HOSPITAL ART(Hasu no hana/東京)
2013 秘境を求めて(洞窟現代/神奈川)
五人展(東邦画廊/東京)
2012 ART田ノ島39(野外展/豊橋)
2010 双ギャラリー25周年記念展(Soh Gallery K3/東京)
2006 Art Full アート湧くはけの森(小金井市立はけの森美術館/東京)
2001 Belle de jour(アーヘン/ドイツ)
Zalzmannbau(デュッセルドルフ/ドイツ)
2000 One Minute World Festival(アニメーション)(サンパウロ/ブラジル)
1999 Zoomo, Stadtische Kunstsammlung Escweiler(エシュバイラー/ドイツ)
1998 Tokyo Rooms(ギャラリー アーティクル/ケルン/ドイツ)
1996 Nature-Material and Image(アートハウス美術館&エンハロット美術館/イスラエル)
1995 褄恋芸術祭(野外展/褄恋高原)
1992 方法作家会議国際交流展(ソウル市文化芸術振興院/韓国)
SEISEI(チョンオンギャラリー/釜山/韓国)
「ちぎれた袖」ドローイング
「あなたは私を知らない」ドローイング
「あなたは私を知らない」ドローイング
「彼女の目は羊の目」写真