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  • 田原市博物館 | 愛知県
  • ドナルド・キーンと渡辺崋山 -崋山の叡智にふれて-

  • 2023/10/7(Sat)〜12/3(Sun) 終了

展覧会の見どころ

本展はドナルド・キーン著・角地幸男訳『渡辺崋山』(新潮社、2007年)を中心に構成します。
まずドナルド・キーン氏の生涯を写真を交えながら紹介します。キーン氏は日本の文豪とも交流が深く、三島由紀夫や川端康成、安部公房などが特に挙げられます。そして、多くの著書を執筆しました。キーン氏の代表的な著書を展示します。
次に『渡辺崋山』を完成するまでに読んだ本を紹介します。執筆のため参考にした本やメモ書きをご覧ください。
最後に渡辺崋山の作品です。著書『渡辺崋山』において、キーン氏は崋山の肖像画を高く評価しています。崋山の肖像画のほとんどは国指定重要文化財であり、見られる機会が少ないので、ぜひこの機会にご覧ください。

田原市博物館

展覧会内容

ドナルド・キーン(1922~2019)は日本文化研究の第一人者であり、田原市博物館名誉館長(2017~2019)を務め、昨年生誕100年を迎えました。コロンビア大学在学中に、アーサー・ウエーリ訳『源氏物語』に魅了されたキーンは、長い年月をかけて、日本文学や日本文化について研究を積み重ね、多くの著作を残しました。著作の中には、渡辺崋山(1793~1841)について書いたものもありました。

田原市制20周年・田原市博物館開館30年・渡辺崋山生誕230年を記念する本展では、日本学者としてのキーンの足跡やその功績、キーンと田原市の交流をたどります。そして著書『渡辺崋山』で取り上げた崋山の名品を紹介します。

ドナルド・キーン(1922~2019) Donald Keene
アメリカ・ニューヨーク生まれの日本学者。
大学生のころにアーサー・ウエーリの英語訳『源氏物語』を読んで日本に興味をもち、日本の文学や思想史を専攻。太平洋戦争では通訳官として従軍し、日本語の文書等を英語に訳した。また通訳官として戦死した日本兵の日記を読んだり、捕虜となった日本兵を尋問したりし、日本への関心を深めた。終戦後は日本文学の研究を深め、近松門左衛門、松尾芭蕉、井原西鶴などをテーマにした。一方で、三島由紀夫、安部公房など同時代の文学者と交友をもち、彼らの著作を翻訳し、考察を深めた。2008年に文化勲章を受章、2012年に日本国籍を取得した。代表的な著作に『百代の過客』、『日本文学の歴史』など多数ある。

渡辺崋山(1793~1841) Watanabe Kazan
江戸時代後期の画家。田原藩の江戸屋敷に生まれた。幼少期はかなり貧しい生活を送った。谷文晁などに絵を習い、その力を大いに伸ばした。代表作に『一掃百態図』(重要文化財、当館蔵)や「鷹見泉石像」(国宝、東京国立博物館蔵)などがある。
40歳で田原藩家老となり、藩政改革や民衆の生活の向上に尽力した。一方で蘭学に関心が高く、小関三英や高野長英に蘭学書を翻訳させ、知見を高めた。さらに、外国船が日本近海に現れる当時の社会情勢を不安視し、『慎機論』を著すが、幕政批判と捉えられて田原へ蟄居となった(蛮社の獄)。1841(天保12)年10月11日に自刃した。

  • ドナルド・キーン著・角地幸男訳『渡辺崋山』新潮社 2007年 田原市博物館蔵

  • キーン氏愛用のタイプライター 東京都北区立中央図書館寄託

  • 重要美術品 渡辺崋山筆「笑顔武士像」個人蔵

  • 田原市博物館名誉館長トロフィー

基本情報/アクセス

展覧会名
ドナルド・キーンと渡辺崋山 -崋山の叡智にふれて-
会期
2023/10/7(Sat)〜12/3(Sun)
会場
田原市博物館
住所
〒441-3421 愛知県田原市田原町巴江11番地1
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