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  • 北千住BUoY | 東京都
  • 沖田愛有美「洞穴の暗がりに息づくもののために」

  • 2024/1/21(Sun)〜1/30(Tue) 終了

展覧会の見どころ

ウルシ樹の樹液を精製することで取り出された漆は、接着剤や塗料として古くから人々の生活と共にありましたが、現代ではその多くが合成塗料に代替されています。わたしは漆の乾燥のために植物をケアするかのように接して温湿度を調整し、まるで生きているかのように振る舞う色彩や粘性の変化に触れるなかで、漆を介して自然と人間との関係に興味を持つようになりました。絵画という枠組みや工芸材料といったカテゴリーを超えて、わたしたちの今生きる環境のなかに生まれ、育ち、共に変化を続けていく漆という材料との共同制作を試みます。

沖田愛有美

展覧会内容

【展覧会企画】

沖田愛有美「洞穴の暗がりに息づくもののために」

期間:2024年1月21日(日)〜 2024年1月30日(火)
月曜—金曜:14時〜19時、土曜・日曜:13時〜18時
※最終日18時まで"

入場無料

会場:北千住BUoY 2Fギャラリー
〒120-0036 東京都足立区千住仲町49−11

助成:公益財団法人クマ財団

【展覧会内容】
「洞穴の暗がりに息づくもののために」では、漆をメディウムとする絵画を展示します。

漆の絵画は、フランスの植民地下にあった1930年代のベトナムにおいて西洋画と漆芸の間に〈ソン・マイ sơn mài〉として誕生したとされており、これが1960年代に中国の漆芸界に伝播し、現在では絵画の領域に〈漆画 qī huà〉が確立されています。
一方日本では「絵画」の形式をもつ漆の平面表現に対して明確な定義は与えられておらず、工芸の領域に知られている〈漆パネル〉はあくまで“絵画”であると名乗ることを避けてきたという経緯があります。かつて絵画の領域で表現を追求した個人や集団の活動も今ではほとんど顧みられていません。

また、絵画と工芸の間をゆく漆の絵画(漆画)は2つの領域の越境性を有する反面、両者は相反的であり、漆画は「絵画でもあり工芸でもある」にもかからわず「絵画でもなく工芸でもない」という自己矛盾を引き起こしてきました。

本展では、メディウムである漆を、変化する漆を、カブれをもたらす漆を、樹木である漆を、人格を有するかのようである漆を、既存の美術領域と結びつけるのではなく、漆との関わりを通じて自然なるものとの関係を取り結ぶことを目指します。

  • 沖田愛有美 1994年岡山県生まれ。漆をメディウムとした絵画作品を制作している。自然界の現象や様々な種、人間と非人間の境界など複数の要素が複雑に結びつき絡まり合う様子を生きる描画材料である漆との協働によって描き出す。金沢美術工芸大学大学院博士後期課程在学中。

基本情報/アクセス

展覧会名
沖田愛有美「洞穴の暗がりに息づくもののために」
会期
2024/1/21(Sun)〜1/30(Tue)
会場
北千住BUoY
住所
〒120-0036 東京都足立区千住仲町49−11
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