- SH GALLERY | 東京都
小泉 遼「Self Portrait」
- 2024/10/26(Sat)〜11/10(Sun) 終了
小泉 遼「Self Portrait」
2024.10.26(Sat.) - 11.10(Sun.)
12:00 - 19:00 (Closed on Mon.)
@SH GALLERY
この度、SH GALLERYでは小泉遼の個展「Self Portrait」を開催いたします。
“意識と無意識の間で一筆づつマークを描き、色を塗り重ねていくプロセスを通して、絵画が自分自身を投影する窓となるのかもしれません” - 小泉遼
今回の個展では、小泉が2019年より制作している「enso」シリーズの新作により構成されています。独学で絵画を学んだ小泉は、現在も制作の拠点としている福島での生活、身近にある自然、そして庭師の家系やカリグラフィーの影響から、東洋的な思考、自身のアイデンティティーと深く結びついた抽象的な絵画を探求しています。
新作の「enso」シリーズでは、キャンバスに油絵具で描かれ、西洋絵画の伝統的な技法であるグレージングを用いています。透明度の高い絵具で何層にも塗り重ねられた画面は、深く透明感のある色彩をみせ、図と地の境界が曖昧になります。
何度も反復されるマークを追っているとそこには一つ一つ差異があり、人の存在を感じることができます。また、物質として西洋的な画面上に東洋的な思考を見い出すことができます。禅の書道である円相、曼荼羅、枯山水に波状に広がる砂紋、そして、円環を重んじる東洋の思想。
円窓と書いて「己の心を映す窓」という意味があります。今回の個展のタイトルである「Self Portrait」が示すように、小泉にとっては絵画とは、具体的なイメージを描く窓としての絵画ではなく、プロセスを通して自分自身の存在を探求し映し出す窓となっているのではないでしょうか。
皆様のご来廊を心よりお待ちしております。
◾️SH GALLERY
Tel:03-6278-7970
E-mail:info@shartproject.com
instagram:@sh_gallery_tokyo
小泉 遼 | Ryo Koizumi
Born in 1985, Fukushima, Japan / Graduated from Ibaraki University
小泉は2016年からカリグラファーとして活動し、2019年には書の基本線を円相で連続して描く「enso」シリーズを展開した。ensoシリーズでは、禅の書のひとつである「円相」からインスピレーションを得た。禅において円相は、虚無、統一、無限、悟りの境地を表しているが、解釈は見る人に委ねられており、見る人の心を映し出すと言われている。小泉の描く根源的なシンボルは、抽象と具象が曖昧になりつつある私たちの世界感を示しているかのようだ。小泉は2021年から「Halo」シリーズの制作を開始した。Haloシリーズは色彩の偶発性を取り込み、空中に見える光の純粋な視覚イメージを抽象絵画としてキャンバス上に存在させた。ensoシリーズから受け継いだ東洋的な神秘性を秘めながら、光の力に満ちた小泉の新たな境地を表現した。
Ryo Koizumi