本展はこれまで忽滑谷昭太郎が4年をかけて温めてきた集大成となります。
様々なスタイルを模索し続けてきた忽滑谷昭太郎は、本展では抽象絵画ともいえる作品を展示します。本展の見所はこれまでにない壁面での展示に留まらず、軽量鉄骨も使いながら、新たな作品の展示も致します。是非この機会にご高覧下さい。
「初めてその絵具に接したのは子供の頃。5つ年上の姉が謎の絵の具のセットを画材屋から買ってきた。当時自分にはそういったものには全く興味はなかった。ある時姉の部屋で椅子に置てあった鮮やかな原色の絵具の乗がせてあるパレットが椅子に置いてあり、それに気づかずに、たまたま母が買ってきた新しいジーンズを履いていた僕がグチャっと座ってしまいもろにお尻のところに絵の具の跡がついた。高価なものらしいそれを僕のお尻が持っていてしまったので姉はイライラしていた、そしてどうやら乾かない変な絵の具という事を聞き焦ってすぐに洗ったがその絵の具は全然取れなかった、一度干したのに指にまだ付くぐらいだった。そのジーンズは捨てることになった。そのことに僕はがっかりしていた。
それまでは水で溶いて紙に乗せ水が蒸発すれば乾く絵の具しか知らなかった。それらとは違うものだという事はそのことから印象に強く残っていた。 」
ぬかりやしょうたろう/1981年生まれ