- KURA MONZEN Gallery | 京都府
NOMURA KO SCREAMING LOTS OF DIFFERENT SONGS
- 2026/2/28(Sat)〜6/1(Mon) 開催中
本展は、戦後日本美術の中で〈受け継がれてきたもの〉と〈新しく生まれたもの〉のあいだを行き来しながら、独自の表現を切り拓いた芸術家・野村耕(1927–1991)の創作の歩みをたどる展覧会です。
野村耕は、日本画の伝統が色濃く残る京都で学び、若くして画家としての道を歩み始めました。戦後間もない1950年、同世代の仲間とともに前衛美術グループ「パンリアル美術協会」に参加し、それまでの日本画の決まりごとに とらわれない、新しい表現を模索します。初期の作品には、人や形を描いた幻想的な表現が見られますが、次第に野村は「素材そのものは表現になりうるのか」という問いに向き合うようになります。
1950年代後半から1960年代にかけては、絵の具に限らず、セメントやスレート、工業廃材、新聞の印刷版、染色に使われる型紙など、身近で意外な素材を作品に取り入れました。こうした試みは、当時の日本画の世界ではほとんど例のない、きわめて先鋭的なものでした。さらに1970年代以降は、平らな画面を超え、立体作品や空間を意識した表現へと活動の幅を広げていきます。伝統的な日本画を土台としながらも、その枠を 内側から少しずつ押し広げていく 野村の作品には、そうした静かで粘り強い挑戦が一貫して流れています。
教師として勤務する傍ら、野村は毎年欠かさず新作を制作し、発表を続けました。同じ表現にとどまることなく、常に新しい素材や方法に挑戦し、実験を重ねていく姿勢こそが、彼の創作を支えた大きな原動力でした。
本展では、野村耕の代表作を中心に、コレクターやご家族からお借りした貴重な作品、さらにパンリアル美術協会のメンバーによる作品も含め、約60点を展示します。
1950年代から1980年代にかけて制作された水彩画、墨絵、コラージュ、フロッタージュ、デカルコマニー、ミックスドメディアなど、多彩な表現を通して、日本美術が20世紀にたどった変化の流れと、その豊かな表現力をご紹介します。時代とともに姿を変えていく表現の軌跡を、ぜひ会場でご体感ください。

[展示作家]
野村 耕、下村 良之介、大野 淑嵩、三上 誠 等
Nomura Ko
Nomura Ko
Shimomura Ryonosuke